Archive for 11月, 2013

オーパ[トヨタ]

フランス車を思わせる合理的なクルマ

プレミオと同じフロアパネルを使って作られた、ほとんど1・5ボックスに近い小型ワゴン。かぎられた外寸のなかでスペースを最大限確保することを狙った、実験的色彩の強いクルマだ。ユーザーの情緒に訴えるのを得意とするトヨタにしては珍しく、きわめて合理的なクルマだが、マーケノに数百合しか売れていない。全長4250ミリ、全幅1695ミリとカローラより小さな外寸のなかにセルシオ並みの居住スペースを確保している。前後のシートともども実にたっぷりとしている。リアシートのレッグルームはいたって広く、足を組んでも前にぶつからない。また、キャビン左右のグラスエリアを直立させているので肩幅にも余裕がある。荷室は広大というほどではないが、それでもこのクラスの3ボックスセダンに比べれば、十二分の広さだ。オーパが売れないのはおそらくこの直立した面で構成されるボディスタイルが理解されないからだろう。私はきわめてアヴァンギャルドな優れたデザインと思うが、ドイツ車的な緊密イメ~ンを好む日本のユーザーには、がらんとしたブリキの箱みたいに、安っぽく見えてしまうのではないか。エンジンは2リットル、1・8リットルの2本。2リットル版にはCVTが、1・8リットルには4速オートマチョクが載る。オーパのウィークポイントはその走りが安っぽいことだ。せっかくのCVTも、ライヴァル他車がつぞっきと投入してきたCVTと比べると、あきらかにスムーズネス、ダイレクト感で劣る。ハンドリングと乗り心地のバランスもいまいちだ。べつにキビキビ曲がる必要はないと思うが、もっとしっとりとした上等な乗り心地にしてぼしい。オーパはフランス人あたりが好みそうな、実に合理的なクルマだ。ただ、そこには迷い加速もないし、マークXのような見かけ上の贅沢もない。ここらあたりもフランス車的といえばいえるのだが、そいつはどうも日本人ユーザーには理解されにくいようである。売れないブランドはさっさと見切りをつけ、すぐに新しいブランドを起こすのが日本のクルマビジネスだが、オーパのコンセプトは消すには惜しい。サスペンションやトランスミノンヨンに地道な改良をほどこし、オーパをさらに熟成させることを望む。

ランサー[三菱]の自動車買取相場

どこを探してもこれを選ぶ理由がない

 

1・8リットル/1・5リットルエンジンを載せるごくオーソドックスなFFファミリーセダン。登場当初は直噴ガソリンエンジンが売りだったが、排ガス対策やコストの問題があるようで、直噴のラインナップはかなり減らされた。新車時からアナクロとしか思えない、おそろしく保守的なデザインで登場したのがつまずきのもとで、ランサーは最初から売れ行きがパッとしなかった。03年、フェイスリフトをほどこしなんとか若返りしようとしたが、いまや例の第二次リコール隠し問題でマーケットからそっぽを向かれてしまい、月に700台程度の登録と、ほとんど死んだも同然である。サイズ的にはブルーバード、シビョクあたりと同じで、日本で乗りやすい大きさだ。室内の広さもこのクラスの平均点にある。ただ、このスイカのお化けのようなお面は、いかにもとってつけたようだ。これでは三菱嫌いの人でなくとも、相手にしてくれまい。トランスミッションはCVTと5速マニュアルボックスが選べる。登場当初、ランサーはスムーズなCVTが売りだったが、他社ライヴァルもCVTを載せてきて、もはや埋没してしまった。ベストチョイスは1.5リットル+CVTあたりか。乗り心地はこのクラスのファミリーセダンとして、まずまず及第点を与えられる。ランサーはよくバランスされたFFファミリーカーであったが、登場以来4年で、そのアドヴァンテージはほとんど失われている。いまとなってはあえてこのクルマを選ぶ理由はどこにも見つからない。しかも、そのスタイルがあまりに凡庸で魅力に欠ける。私はランサーを見ていると、三菱というメーカーはユーザーの心をつかむのが心底苦手なのだなあと思う。すでにモデル末期のランサーだが、哀しいかな三菱はかの第二次リコール隠しの後遺症で、どうだとばかりにニューモデルを出すのは、どうにもはばかられる。世間さまは新車広告すら許してくれない雰囲気なのである。いったん失った信用を取り戻すには、ごく当たり前のことだが、良心的な「いいクルマ」を出す以外に方法はない。三菱はこれを機に、そのクルマ作りを抜本的なところから見直し、ゼロから出発して、ユーザーをあっと言わせるような魅力的なクルマを作ることに全力を傾注すべきであろう。尚、販売が中止されたランサーの自動車買取相場を活用する方法はこのサイトが詳しい。もしランサーの中古車を買う、または愛車を売るという場合は、自動車買取相場を確認してみはいかがであろうか。但し、三菱車の自動車買取相場は総じて悪い。国内メーカーの中でも最悪といっていい相場である。リセールバリューを考えるなら、三菱車はオススメできないので、新車であっても中古車であっても、三菱車を買うのであれば、慎重に判断することが望ましいと思う。

ブルーバードーシルフィ[日産]

伝統を受け継ぐか、捨てるか、その岐路にある

長い歴史を持つ日産のFF3ボックスセダン。現在のモデルは2000年に登場したい3代目だ。このクラスのファミリーセダンがなべて死に体同然のなかで、モデル末期にもかかわらず月に2500台と、そこそこ売れているのはベースマーケットが大きかったからだ。

日本で乗る中クラスのファミリーカーとしては手ごろなサイズだが、スタイルが超オーソドックスというか、保守的に過ぎ、若い人にはジジ臭くしか見えまい。エンジンは2リットル、1・8リットル、1・5リットルの3本。これにCVT、4速オートマチック、5速マニュアルが組み合わされる。ベストバランスは1・8リットル+オートマチック版でなかなか軽快にかつ乗り心地よく走る。日産らしく手堅くまとめたいいクルマだが、いかんせんこのコンセプトは古すぎる。ブルーバードはそのユーザーとともに年老いた。このままではいずれ消滅をまぬがれまい。ブルーバードの名を残しつつ抜本的に新しくなるか、それともフェイドアウトするか。伝統あるブルーバードはきわめてむずかしいところに来ている。

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